近年、工芸品の製作に不可欠な道具や材料の供給が危ぶまれています。伝統的な道具や材料の生産が危機に瀕するなか、文化庁は国宝や重要文化財などの建造物の修理・修復のすべての工程において原則、国産漆を使用することを目指し、漆生産に関する人材育成等を進めています。
「工芸の道具・材料サミット」では、京都府福知山市で[丹波漆]の復興に取り組む漆掻き職人や、京都市内で漆の精製から販売を行うメーカー、東京都で人毛を材料とする漆刷毛の製造をおこなう刷毛職人の方々を招き、漆芸に関わる方々と共に、古来から続く日本の漆芸文化を未来につなげるための対話を始めます。
また、今後、供給困難が予測されている和蝋燭の原材料[櫨蝋]の生産に京都府京北町で取り組む事業者の方からもその活動内容を発表して頂く予定です。
本サミットの議論を通じて、危機的状況にある他の工芸分野とも課題とアイデアを共有していきます。